第3回|税金の前にやるべきこと―黒字化と税務の正しい順番
こんにちは!いつもありがとうございます。税理士の玉造です。
第1回では、赤字が続く背景にある「思い込み」について、 第2回では、黒字化できない会社に共通する「数字の見落とし」についてお話ししてきました。
最終回となる今回は、経営者の方から特に多いテーマである、「税金」との向き合い方についてです。
「税金を減らしたい」という相談の前に
実務の現場で、経営者の方からよく聞く言葉があります。
「できるだけ税金を減らしたい」
この気持ち自体は、経営者としてごく自然なものですし、決して否定されるべきものではありません。
ただ一方で、私はいつもこう感じています。
税金の話が本当に意味を持つのは、会社が安定して利益を出せる状態になってからだということです。
赤字・薄利のまま節税を考えるリスク
赤字、あるいはギリギリの利益しか出ていない状況で節税を優先すると、次のような問題が起きやすくなります。
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手元資金がさらに減る
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決算書が弱くなり、金融機関の評価が下がる
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経営判断の自由度が狭まる
実務では、
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税金を抑えた結果、資金繰りが苦しくなった
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節税はできたが、銀行との関係が悪くなった
といったケースを、実際に目にしてきました。
節税そのものが悪いのではなく、順番を間違えてしまうことが問題なのです。
黒字化して初めて見えてくる「選択肢」
一方で、黒字化できている会社は、税務についても冷静な判断ができるようになります。
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税金を払ってでも残す利益
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将来の投資に回す利益
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内部留保として積み上げる利益
これらを、経営判断として選べる状態になります。
黒字化は、
「税金を払うため」
だけのものではなく、経営の選択肢を増やすための土台でもあります。
金融機関が見ているのは「税金」よりも「利益」
もう一つ、実務で強く感じるのが、金融機関との関係です。
銀行が見ているのは、
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税金をいくら払ったか
よりも、
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安定して利益を出せているか
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数字に一貫性があるか
という点です。
節税を優先しすぎて利益が見えにくい決算書になると、
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融資が通りにくくなる
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条件が厳しくなる
といった影響が出ることもあります。
税理士が伴走できる領域とは
税理士は、税金を計算する専門家であると同時に、
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数字から経営の癖を読み取り
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黒字化のボトルネックを整理し
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税務と経営のバランスを一緒に考える
立場でもあると、私は考えています。
だからこそ、
「税金をどう減らすか」
よりも先に、
「この会社は、どうやって安定して利益を出すのか」
を、顧問先と議論する時間を大切にしています。
正しい順番は、とてもシンプル
ここまでの話をまとめると、順番はとてもシンプルです。
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黒字化の仕組みをつくる
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利益を安定させる
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その上で税務を考える
この順番を守ることで、
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税金の話が前向きになり
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経営判断に余裕が生まれ
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会社が長く続く
そんな状態に近づいていきます。
税金の話が意味を持つのは、経営の方向性が見えてからです。
当事務所では、 「税金の前に、まず会社が続くこと」 を大切にしながら、日々顧問先と向き合っています。
節税ありきではなく、経営全体を見ながら、数字との向き合い方を整理したい方に向いています。
この3回シリーズが、経営や数字、そして税金との向き合い方を考えるきっかけになれば、それだけで十分です。




