【速報】令和8年度税制改正大綱のポイントを税理士が解説― インボイス経過措置・基礎控除・少額減価償却資産の見直し ―
こんにちは。いつもありがとうございます。税理士の玉造です。
令和7年12月19日、令和8年度税制改正大綱が与党において決定されました。
東京税理士政治連盟からも速報が出ており、今回の改正では、インボイス制度への対応、物価上昇を踏まえた所得控除の見直し、中小企業向けの実務的な改正が盛り込まれています。
本記事では、その中でも特に実務への影響が大きいポイントを、税理士の立場から分かりやすく解説します。
※なお、以下の内容は大綱ベースの速報であり、今後の国会審議により変更される可能性があります。
Ⅰ.インボイス制度に伴う経過措置の見直し
① 個人事業者に係る税額控除の経過措置(2割特例)の延長
インボイス制度開始に伴い設けられた「2割特例」について、一定の個人事業者を対象に適用期間がさらに2年間延長されます。
【改正内容のポイント】
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対象:
事務負担への配慮が特に必要とされる個人事業者 -
内容:
課税事業者となった場合、
納付税額を「売上税額の3割(=仕入割合7割)」とみなす特例 -
適用期間:
令和9年分・令和10年分の確定申告まで利用可能
👉 インボイス対応で課税事業者になった個人事業者にとって、
実務負担・税負担の両面で重要な延命措置といえます。
② 免税事業者からの仕入れに係る税額控除の経過措置(8割特例)の見直し
免税事業者からの仕入れに対する仕入税額控除の経過措置(いわゆる8割特例)についても、見直しが行われています。
【改正内容のポイント】
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インボイス制度の影響を受ける小規模・国内事業者への配慮
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最終的な適用期限を2年延長
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控除割合は段階的に縮小
【控除割合の推移】
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令和8年10月1日 ~ 令和10年9月30日:70%
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令和10年10月1日 ~ 令和12年9月30日:50%
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令和12年10月1日 ~ 令和13年9月30日:30%
👉 インボイス制度への「急激な負担増」を避けるための、
現実的なソフトランディング措置といえます。
Ⅱ.物価上昇を踏まえた基礎控除・給与所得控除の見直し
基礎控除額・給与所得控除の最低保障額の引き上げ
物価上昇局面を踏まえ、所得税の基礎控除等が見直されます。
【改正内容】
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基礎控除(本則)
現行 58万円 → 62万円 -
給与所得控除の最低保障額
現行 65万円 → 69万円
【適用時期】
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令和8年分・令和9年分の所得に適用
👉 給与所得者・個人事業者ともに、
実質的な税負担の軽減効果が期待されます。
Ⅲ.少額減価償却資産の取得価額基準の引き上げ
中小企業向け特例の拡充・延長
中小企業者等が利用できる少額減価償却資産の特例について、取得価額基準が引き上げられます。
【改正内容のポイント】
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対象となる取得価額
現行 30万円未満 → 40万円未満 -
損金算入(必要経費算入)が可能
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適用期限を3年間延長
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所得税(個人事業者)についても同様の取扱い
👉 設備投資やIT機器購入を行う中小企業・個人事業者にとって、
非常に実務メリットの大きい改正です。
税理士としての実務的なコメント
今回の令和8年度税制改正大綱は、
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インボイス制度への現実的なフォロー
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物価上昇を踏まえた所得控除の調整
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中小企業の設備投資支援
といった点で、「実務に寄り添った改正」という印象を受けます。
一方で、
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経過措置には期限がある
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適用要件を満たさなければ使えない
といった点には注意が必要です。
まとめ
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インボイス関連の経過措置は延長・段階的縮小
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基礎控除・給与所得控除は物価上昇を踏まえて引き上げ
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少額減価償却資産の特例は40万円未満に拡充
税制改正は、「知っているかどうか」で実務対応に大きな差が出ます。
ご自身・自社にどの改正が関係するのか、一度整理してみることをおすすめします。




