令和8年分の路線価が公表されました 相続税評価への影響と、これから考えておきたいこと
こんにちは!いつもありがとうございます。税理士の玉造です。
国税庁から令和8年分の路線価が公表されました。
路線価は、相続税や贈与税で土地を評価する際の基準となる価格で、毎年1月1日時点の地価を基に、7月1日に公表されます。一般的には、公示地価のおおむね80%を目安として設定されています。
今回の公表でも、全国的な地価上昇を背景に、路線価は引き続き上昇傾向となりました。近年は全国平均で連続して上昇しており、土地価格の回復・上昇基調が続いていることがうかがえます。
では、この路線価の上昇は、相続や贈与にどのような影響を与えるのでしょうか。
路線価が上がると、相続税評価額も上がる可能性があります
相続税では、土地の評価額が高くなれば、その分だけ相続財産全体の評価額も高くなる可能性があります。
もちろん、すべての土地が同じ割合で上昇するわけではありません。
- 都市部や再開発エリア
- 交通利便性が向上した地域
- インバウンド需要や人口流入が続く地域
では比較的大きく上昇している一方、地域によっては横ばいや下落しているケースもあります。路線価は全国一律ではなく、その地域の地価動向を反映しています。
そのため、
「全国平均が上がったから、自分の土地も同じだけ上がっている」
とは限りません。
まずは、ご自身が所有している土地の路線価がどのように変化したのかを確認することが大切です。
「土地の価格が上がる=相続税が増える」とは限りません
「路線価が上がった」というニュースを見ると、
「相続税が大幅に増えてしまうのではないか」
と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、実際には土地の評価額だけで相続税額が決まるわけではありません。
相続税には、
- 基礎控除
- 配偶者の税額軽減
- 小規模宅地等の特例
- 債務や葬式費用の控除
など、さまざまな制度があります。
特に、小規模宅地等の特例は、一定の要件を満たすことで土地の評価額を大きく減額できる場合があります。
そのため、路線価が上昇したからといって、必ずしも相続税が増えるとは限りません。
路線価が上昇している今だからこそ、早めの確認を
実務では、
- 「以前試算した相続税額をそのまま信じていた」
- 「数年前に対策したので安心だと思っていた」
というケースも少なくありません。
しかし、土地の評価額は毎年変動します。
特に複数の土地を所有している方や、都市部に不動産をお持ちの方は、以前の試算と現在の試算で結果が変わる可能性があります。
相続対策は、一度行えば終わりではありません。
地価や税制、ご家族の状況などに応じて、定期的に見直すことも大切な対策の一つです。
路線価は「相続税の数字」だけを見るものではありません
路線価は、相続税を計算するための基準ではありますが、それだけではありません。
例えば、
- 将来の相続税負担を考える
- 生前贈与のタイミングを検討する
- 不動産の活用や売却を考える
- 遺産分割の方法を検討する
こうした場面でも、大切な判断材料になります。
数字そのものを見るだけではなく、その数字が将来の選択にどう影響するのかまで考えることが重要だと感じています。
まとめ|地価が変われば、相続対策も見直すタイミングです
路線価の上昇は、地価が回復・上昇していることを示す一つの指標です。
一方で、相続税への影響は、土地の評価額だけで決まるものではありません。
だからこそ、
- 現在の土地評価額はどうなっているのか
- 相続税の試算は最新の路線価で確認できているか
- 今の対策が、現在の状況にも適しているか
を、一度確認してみることをおすすめします。
相続は、制度だけでなく、ご家族の状況や土地の特性によっても最適な方法が変わります。
だからこそ、数字だけを見るのではなく、その数字が意味することまで一緒に考えていくことが大切ではないでしょうか。
経営や相続の数字は、正解を押しつけるためではなく、より良い判断をするための材料だと私は思っています。
当事務所では、税務申告だけでなく、相続税の試算や相続対策についても、お客様一人ひとりの状況に合わせて一緒に考えることを大切にしています。
このブログが、令和8年分路線価の公表をきっかけに、ご自身やご家族の相続について考える機会となれば幸いです。




