税務調査と加算税・延滞税について知っておきたいこと
いつもありがとうございます。税理士の玉造です。
今回は「税務調査」と、それに関連して課される可能性のある重加算税・過少申告加算税・延滞税について、少し専門的に解説しながら、経営者の皆さまに意識していただきたいポイントをまとめました。
1. 税務調査と加算税・延滞税の位置づけ
税務調査は、申告内容が正しいかを税務署が確認する手続きです。誤りが見つかると本税に加えて「加算税」や「延滞税」が課されることになります。
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過少申告加算税
本来納めるべき税額より少なく申告していた場合に課されます。
例:本来1,000万円の法人税を納めるべきところ、900万円しか申告していなかった場合、追徴される100万円に対して原則10%=10万円が過少申告加算税として課税されます(場合によっては15%=15万円)。 -
重加算税
意図的に売上を隠したり、架空の経費を計上するなど「隠ぺい・仮装」があったと判断される場合に課されます。
例:売上を故意に除外していた場合、追徴される500万円に対して35%=175万円が重加算税として課税されます。延滞税も加われば、実際の負担は200万円を超えるケースも珍しくありません。 -
延滞税
税金を期限までに納付しなかった場合に課されます。
例:300万円の追徴税額を3か月遅れて納付した場合、延滞税は年14.6%(2か月を超える部分)で計算されるため、約10万円近い負担が追加されます。
このように、本税に加算税や延滞税が重なると、納税者にとって大きなダメージとなるのです。
2. 重加算税を避けるための注意点
重加算税は「うっかりミス」では課されません。問題となるのは、意図的にごまかしたと評価される行為です。
例えば、
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売上を除外する(特に現金売上やネット売上で発生しやすい)
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架空の外注費を計上する
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二重帳簿を作成する
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税務署に虚偽の説明をする
といったケースです。
実際、私が関与した案件でも、経理担当者が「経費を多めに計上すれば税金が減る」と安易に判断して架空経費を処理した結果、数百万円単位の重加算税が課され、会社の資金繰りに深刻な影響を与えた例がありました。
重加算税を避けるためには、
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日々の売上や経費を正確に記録する
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領収書・請求書など証拠資料を必ず保管する
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判断に迷う処理は税理士に相談する
ことが大切です。
税務調査は通常3年分、場合によっては5年、悪質な場合は7年分まで遡られます。「今は大丈夫だろう」という油断が、数年後に大きなリスクとして跳ね返ってくる点を意識していただきたいと思います。
3. 税務調査対応は専門家に任せて安心を
税務調査という言葉を聞くだけで「何を言われるのだろう」「どこを見られるのだろう」と不安になる経営者の方は多いと思います。普段から真面目に経理をしていても、調査の場では厳しく指摘されることがあります。
だからこそ、税務調査の現場には経験豊富な専門家のサポートが欠かせません。私たちは、調査前の事前チェック、当日の立ち会い、調査後の税務署とのやり取りまで、一貫して伴走いたします。
経営者の皆さまには、本業の事業に集中していただきたい。税務の不安はぜひ私たちに託してください。
「数字の安心」があるからこそ、会社は大きく前に進むことができます。